Fantastic days
by Morishin
6月の初旬、2泊3日の釣行を計画した。仕事の都合があり、その3日間とも半日ずつしか釣りができないという非常に限られたスケジュールとなってしまったが、初夏を感じさせる夏日のような日中と、南からの高気圧に覆われた好天が期待できた。

この地域への釣行は数年振りになる。多分、5年振りくらいだろう。フィールドの荒廃が進んでおり、自然と足が遠のいていた。

今回のタックルは、ロッドがサーペントライジングXSR705SX、リールはABU 6500C CS、ラインはウルトラダイニーマ#8、フロッグはもちろんスナッグプルーフ・エクストリームフロッグを使用した。

今回はどのロッドを持ち込むか非常に悩んだ。シーズン初期ということでカバーがそれほど厚くないという状況、久し振りのフィールドのため、速いテンポで広範囲に探りたいので扱い易く手返しが良いということ、ハスのフィールドも攻めるので、それなりのパワーとトルクが必要ということで、XSR711XXと悩んだ末にXSR705SXに決めた。

リールはロングキャストができるABUで、キャスト時のハンドルの自重による回転とクラッチの戻りを避けるためにBASSARTのカーボンハンドルを装着した6500Cを選択。フロッグはノーマルウェイトを使用した純正オリジナル仕様+ブレード(小型ウィロー+小型コロラド)を基本として、雷魚の活性を探りながら速いテンポで攻めることにした。


今回は、荒廃が進むフィールドへの釣行だったが、何か感じるものがあり、大型が出るような気がしてならなかった。明確な根拠は無いが、2000年以降の約10年間に渡って暗い氷河期のような雷魚ゲームを展開してきており、たまにはご褒美があってもいいだろうという期待感がそう感じさせたのだろう。

ということで、好調だろうという情報を基にしてフィールドを選択するのではなく、自分の第六感に従い、ここならどうだろうというフィールドを回ることにした。そして、ボウズになってもいいから、とにかく大型が出そうなフィールドに絞ることにした。つまり、釣りたい欲望のために小型の反応に惑わされ、本来ならば大型が出たかもしれないタイミングを逃すことを避けたかった。

そこまでする意味が今回はあるような予感があった。


現地に到着したのは12時手前。既に太陽は高い位置にあり、気温も25度を超えていた。この季節のこの地域は午後になると強風が吹くため、早くしないとフィールドの見極めすらできない状況になってしまう。

あと2時間くらいが勝負。しかし、雷魚の活性が低そうな雰囲気のフィールドばかり。陽が高く、風が無く、ベイトも水面付近にいない。ヒシの生育が遅いので、ハスのエリアを選んでみたが、雷魚がアタックしてくるような雰囲気ではない。平日のため、他に雷魚マンがいないという状況だけがプラスの要因に感じられた。

そんな状況ではあったが、2時間くらいの間に訪れた5箇所のフィールドでは雷魚の姿を見ることができ、また、フロッグへの反応も見られた。フロッグに着いた気配があってもアタックまで持ち込めないことや、出ても、ショボイためにフロッグが消えないという状況だったが、とにかくフロッグには何かしらの反応があった。

全くの無反応を予想していたため、この雷魚の反応には期待が膨らんだ。フル護岸され、5年前とは似ても似つかないフィールドになっていたところもあったが、それでも何かしらの反応があった。

エクストリームフロッグの威力か?と思うのは過信だが、とにかく今回は「ツイている」という感じがあった。


ツキがあるうちに一発出したいと思い、大型の期待が持てるフィールドに入った。しかし、午後2時を過ぎたあたりから風が強くなり、キャスティングが上手くいかない。フロッグが風で流されにくいようにブレード仕様を選択しているが、ラインに受ける風の影響ですぐに流されてしまう。だから、キャストし、着水直後から強めのアクションで速いテンポでアピール重視で広範囲を攻めた。

すると直ぐにいい音でアタックがあったが、ハスの葉の間を流されるフロッグを捕食できなかった。もう一度その場所を狙おうにも、キャスティングが決まらず、何度も投げなおしているうちに反応は消えた。

風があたり難いワンドの奥に移動し、ハスのカバーの中にある広めのオープンスペースに狙いを定めてブレードチューン(ノーマルウェイト、小型ウィロー+コロラドの2枚重ね)のクリア/パープルグリッターを投入した。

すると、20mくらいの距離のオープンスペースでバスのようにひったくるようなアタックが出てフロッグが消えた。風が強く、大きめのアクションで速いテンポで探っていたため、喰い込みが浅いだろうと想像できた。

ラインスラッグを取り、短いストロークで力強くアワセを入れた。エクストリームフロッグのフックアップ率は極めて高いので、貴重なアタックを確実にフックアップに持ち込むことができた。

フックアップ直後から大型特有のトルクのある、大きなヘッドシェイクをロッドを通じて感じた。しかし、Bassartのカーボンハンドルが予想以上にシナリ、ハンドルノブがひん曲がったようなフィーリングを受けた。これではまずいと直感し、ハンドルを巻き上げるのを止めて後ろの畑に自ら後退し、ハスのカバーに巻かれないように一気に勝負をかけようとした。

しかし、大型雷魚のパワーが勝り、3mくらい後退した時点でハスに巻かれ、膠着状態に陥ってしまった。XSR705SXではなく、前のモデルのRSRにすれば良かったと後悔したが、とにかく、この状態をなんとかしなければいけない。

ロッドはバットから曲がり、PEラインは唸りを上げていた。こういう状態の場合は無理に引っ張らず、ある程度のテンションを掛けたまま、雷魚が動くのを待つ方がいい。その動いた時にロッドのトルクを生かしてハスから抜き出すのだ。

1分くらいしただろうか、ズルっという感触とともに雷魚がハスから外れた。すかさず後退してオープンスペースに誘導し、ハンドルを巻き上げたが、直ぐに次のハスのカバーに巻かれ、また膠着状態になった。


このままでは間違いなくバレる。フロッグは多分、口先にかろうじて掛かっている状態だろうし、ハスに巻かれると、フロッグは常にハスの茎に接しているため、ヘッドシェイクなどで外される可能性が非常に高い。

しかし、一向に雷魚を水面に引き上げることができない。そうこうしている間に先ほどと同じように雷魚が動いたタイミングでハスから外れ、手前のオープンスペースまで誘導することに成功した。

あと5mくらいになったとき、茶色い大きな背中と尾ひれが見え、ようやく水面に引き上げることができた。このまま一気に勝負をかけようと手前まで寄せ、ランディングスペースを決めようとした時に水中で大きなヘッドシェイクを繰り返し始めた。

ヤバイ、と思った次の瞬間にロッドが伸びきり、ラインも力を失った。心配していたとおり、フロッグが外れてしまった・・・

一発狙いで粘り、なんとかフックアップさせたのだが、あと一歩のところで逃がしてしまった。そのまま草の上に膝から崩れ落ち、心拍数が最大になっているのだろう鼓膜が波打つのを感じ、後悔だけが残った。


今回は、大型が釣れる予感がしていたので、その後に訪れたフィールドでも大型を期待してフロッグをキャストした。

しかし、80cmクラスまでは釣ることができたが、それ以上のサイズにはめぐり合うことができなかった。釣れた雷魚のアベレージは60cmから70cmだったが、そのどれもがコンディションがよく、一回り大きなサイズの魚のようなファイトをしてくれた。

天候にも恵まれ、雷魚の活性も高く、久し振りに雷魚釣りを満喫することができた。フロッグには雷魚の噛み後が多数付き、ボディ後ろに埋め込んだタングステンウェイトも取れたりした。夜には宿でフロッグの修理をすることになった。昔はいつも毎晩フロッグの修理をしたものだったが、ここ10年くらいはそんなことなんてほとんど無かった。毎回、釣れる雷魚も少なく、アタックもほとんど得られないことがほとんどだったからだ。

今回は、幸運に恵まれ、本当に久し振りの雷魚釣りを楽しむことができた。目指したモンスターは残念ながらあと一歩で仕留めることができなかったが、次回に賭けるモチベーションにすることにした。

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