What is your goal of Raigyo Tsuri ?
今から10年以上前、ある地方へ遠征をしていたとき、ある雷魚マンにフィールドで会った。

その時は、「釣れますか?」という社交辞令の挨拶を交わした程度だったが、その後もまた違うフィールドで出会ったりして「また会いましたねえ」とどこか罰の悪い挨拶を交わしたりした。釣行後しばらくしてからその彼からエリュシオンのサイトに一通のメールをもらったことから交友関係を持つようになった。

そのメールはフィールド情報のネットでの取り扱いについての意見だった。今思えば、何処かのモラルに欠けたサイトと同じに思われていたのかもしれない。しかし、彼との付き合いはそうして始まった。


それからは、シーズンが来れば簡単な状況報告をし合う程度で、そこは雷魚マン同志、フィールド情報など踏み込んだ話しはしないという暗黙の了解の元で交友関係は続いた。

僕は彼がある地方に住む雷魚マンで、毎年何本ものモンスターを釣り上げるエキスパートということは知っていた。そしてある年に、その彼が超ド級のモンスターを釣ったという話しを耳にしてはいたが、それらを詳しく聞くこともなく、時間は過ぎてゆき、フィールドの荒廃と共に僕の足はその地方から遠のいていった。

そして知り合ってから8年が過ぎた頃、彼から一緒にフィールドに立たないかと誘いをもらった。本当であれば喜び勇んで釣行するのだろうが、しかし、僕はそれを簡単に受け入れる訳にはいかなかった。
彼がいつもモンスターを狙っているフィールドに連れて行ってもらいたいという下衆な思いがあったのは事実で、そうすれば自分もモンスターのチャンスがあると思ったのだが、でも、やはり、それは遠慮するべきだと丁重 に断り、その代わりに釣行後に何処かで待ち合わせて夕食を一緒にとることを提案した。
つまり、別々に行動し、夜に落ち合うというものだった。

そしてその年の夏の終わりに実際に釣行し、昼間は別々に行動し、夜はファミレスで夕食を一緒に取った。知り合ってからかなりの年月が経ち、お互い家庭を持ち、仕事に追われる日々の中、時間を取って釣行し、積もる話しに花が咲いたが、その中で彼が何年も前に釣ったド級のモンスターの話しになり、車に積んであったその古い写真を見せてもらった。

Yellow popper with him
*注)この画像と、文中の写真とは関係がありません。
今まで、メーターオーバーの話しは聞いたことはあるが、実際にメジャーをあてた写真はこの目で見たことは無かったが、その彼が見せてくれたのは、紛れもない超ド級のモンスター雷魚で、尻尾がメジャーの1mのところにあった。

僕は、「これ、1メートルって言えますよ」と彼に言ったところ、彼は「99センチです。」とキッパリ答えた。確かに、99センチと言えばそのとうりかもしれない。でも、この雷魚釣りをしている者であれば誰もが、1メートルと言ってしまうサイズだった。

彼はそれについて多くを語らなかったが、僕は彼の潔(いさぎよ)さに感服し、同時にリスペクトした。更に言えば、その雷魚は大きな木の板に乗せられ、メジャーでキッチリと測定されていたのだ。地面の上に置けば間違いなく1メートルに見えるように撮影できたはずだった。それをしないで、わざわざ木の板を何処からか持って来て、誰がどう見ても疑いの余地の無いサイズにしたのだ。

よく目にする、88センチくらいを90センチと呼んでしまうのと全く異なる測り方だった。そんなスケーリングともう一つ大事なのは、メーターオーバーという夢と目標を敢えて残したことだった。

もしあの時、1メートルとしていれば彼は燃え尽きてしまっていたかもしれない。彼はあと1センチを求めてあれから10年近い年月を当時と変わらない情熱を燃やし続けている。だがしかし、まだあの99センチを超えるモンスターには出会っていない。


でも、やり続ける限りチャンスは巡ってくるはずだ。

この厳しいフィールド状況下でネガティブにならずに頑張る彼に負けないように僕もチャレンジをしたい。
また、お互い、息子がいるので、次の世代にもこの熱い雷魚釣りをやってもらいたいと願っている。

そのためにもフィールド環境の維持にはより一層配慮しなければと思う。


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