From now on ..
こサイトを立ち上げたのは21世紀になったばかりの今から10年以上前のことだった。

ちょうどインターネットが普及し始め、雑誌などの紙媒体からネット上のデータによる情報発信への移行が急速に進んだ時で、個人がウェブサイトを立ち上げるブームのような時代でもあり、数多くの雷魚マンがサイトを運営し、様々な情報を発信していた。

それらの多くは雷魚釣りに関するマナーやルールを紹介し、この釣りを健全化しようとする意図が見られたし、それが当然であるという共通認識をもっていた。しかし、残念だが、その中にはモラルに欠けたサイトもあり、特に、フィールドの情報を公開して(画像や文章に配慮が足りない)フィールドの荒廃を招くなどのトラブルを起こしたりしていた。

そういった連中のサイトは2ちゃんねるで叩かれ、サイトに設置されていた掲示板を荒らされたりしてサイトが閉鎖に追い込まれるなど、言い方は悪いが、ある意味、駆除されていた。

また、雷魚マンが皆でそういったサイトが愚業を行わないように監視をしていた時代があった(誤解の無いように言うが、そういったサイトを結託して攻撃していたわけではない)。同時に、ビギナー雷魚マンはそこでマナーやルールを知ることができ、この釣りに関するハウツーを学ぶ事ができた。



しかし、ITの進歩は、良い面ばかりではなく、負の側面もあった。

情報の入手は格段に速くなり、伝達の速度も増し、雷魚釣りが一般的な釣り人に広まることにより、それを商売にしている人々の目に留まるようになった。ちょうどバス釣りマーケットが飽和していたため、次なるターゲットを探していた釣り具メーカーやショップは、ビデオやテレビなどで雷魚釣りを紹介したり、プロモーションのために利用することが急激に増加したのだ。

その結果、釣り人が特定のフィールドに集中して訪れ、駐車車両が農作業の邪魔になり、また、畑を踏み荒らす、ゴミを捨てるなどの愚業を行う非常識な輩により、フィールドは釣り禁止になったり、水抜き、網入れが次々に行われるなどフィールドの荒廃が急激に進んだ。そのため、真摯な姿勢で取り組む雷魚マン達はフィールド維持に努め、バス釣りとは異なるスタンスで臨むように啓蒙活動をしていた。


それから10年、釣れない釣りになっていった雷魚釣りは、ブームが沈静化し、徐々にではあるが昔の状況に近い、静かに、そしてマイペースで釣りができるようになりつつあり、荒廃していたフィールドも一部ではあるが回復の兆しも見られるようになってきていた。


その一方では、ITは進歩し続け、今ではブログやTwitter、フェイスブックといった誰もが特別な技術や運営費をかけずに容易にインターネット上で情報を公開できるような時代になり、無数の情報が発信されている。

その10年前とは全く異なる状況は、特にブログからの情報発信は、もう留まるところを知らず、フィールドの情報は垂れ流され(中には、場所をカモフラージュするためにデタラメな情報を流すケースもある)、雷魚釣りに対するスタンスなどは論じられることもなく、まさに個人の日記としてインターネットで公開され、その個人の日記は社会への影響力まで考慮しているはずはなく、意図が理解不能なものもあれば、バスタックルを推奨する輩まで、まさに無法地帯に雨の後のタケノコのように無数のブログが次々に出てきている。

もう、誰も2ちゃんねるでその話題も取り上げないし、その数が多すぎてどうにもならない。検索すれば無数のサイトがヒットし、まさに情報の洪水が起きている。

何が本当で、何が正しくて、そして、この雷魚釣りの本質とは何か。その判断は、釣りをする人自身の価値観に任せるしかない。


僕がここでこうして雷魚釣りの本質を分かって欲しいと願う文章を書いていても、Googleの検索ロボットのアルゴリズムに上手く合致しなければ、全くヒットしない。(Google検索でも、上位に来ているサイトが必ずしも有益であるとは言えない)

検索している人に何が有益なのかの判断は、ロボットが行うのだ(以前はYahooであれば人間がサイトの内容を確認し、有益であると判断したものを上位でヒットするようにしていたが、今ではすべてGoogleに任せている)。このような様々なネット上の問題も深刻だが、同時に実際のフィールド上ではネスト狙いが横行しているという話しを以前にも増して聞くようになり、また、このエリュシオンのサイトで取り上げて欲しいという声も届くようになった。

雷魚釣りに於いてはネスト狙いはタブーとされ、それによって釣り上げた雷魚には価値が無いと認識されてきていたはずだった。

しかし、昨今のバス釣りから入って来た雷魚マンの中にはネスト狙いをタブーとせず、スポーニングの季節には敢えてネストを狙っているとも聞いている。先ほど触れたが、釣り人が、その釣りのルールやマナーを学ぼうにも、情報が溢れていて非常に困難な状況にあることも原因の一つだろう。



あと一つ、大事な事を書かなければいけない。

釣りは、それ自体が人のエゴであり、食べる事が目的であればよいが、リリースを前提としたルアーフィッシングは動物虐待と言われても致し方ない。だから、動物虐待をしているのに、ネスト狙いがダメだというのは道理が通らないという意見も多々ある。

それはある意味その通りで、僕らは偽善者と言われても仕方ない。自分の行為は肯定し、他人の行為を否定するからだろう。でも、一つ言いたい。ネスト狙いまでして釣りたいなら、それが肯定されている他の釣りをすればいいと思う。

この釣りは、厳しいフィールド状況の下、バーブレスフックを装着した中空フロッグだけを使い、重いヘビータックルで臨むところに面白さがあり、そこにこそこの釣りの本質が見えるはずだ。そして、不利であろう制限(バーブレスフック、フロッグだけ、太いPEライン、カバーシーズンのみ、など)を自らに課すことによって面白味が出ると思う。

釣れさえすればいい、何が何でも一匹でも多く釣りたいのであれば、その欲求を満たしてくれる釣りは他に沢山ある。なぜ雷魚釣りをしたいのか、なぜ雷魚釣りなのかをもう一度自分自身に問い掛けてみて欲しい。


最近、自分の息子にルアーフィッシングを教えるため、有名なダム湖にバス釣りをしに行く機会が多いが、フィールドに散乱する無数のゴミの多さに愕然としている。

特に多いのがバックラッシュした後のラインとワームが入っていたパッケージ。湖の全域に渡って散乱している。特にラインは水鳥の脚に絡まるので、見つけたら拾うのだが、その数の多さはハンパではない。その湖は釣り人の多さでも有名だが、その人の多さに比例してゴミが出る。

でも、もし、皆が足元のゴミを一つ拾えば、フィールドからゴミが消えると思う。でも、実際にゴミ拾いをする人は非常に少なく、多くの人が見て見ぬ振りをしたり、捨てる側に回っている。雷魚釣りだけではなく、この国の釣り全体において改善しなければいけないし、釣り具メーカーはもっともっとフィールドの維持や啓蒙活動に尽力すべきだろうと思う。



雷魚釣りは基本的にラインやルアーを釣り場で消耗しない。特にバス釣りで問題視されている水中にワームを大量に残すなんてことは一切ない。

制限の多い釣りは自然にも優しいはずだ。

過去に書いたコラムでも提唱したけれど、我々は単なる釣り人から脱却し、もっと自然をリスペクトできる心豊かな人間にならなければいけない。

雷魚釣りはそれを学べると思う。

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