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雷魚ロッドの進化をおおまかに話すと、70年代の終わりにSuper Striker のリリーパッドハスキーから始まったカバーゲーム用のロッドは、80年代に入るとSuper Strikeへと受け継がれ、マグナムハスキーへと進化をしていく。その80年代初頭にはダイコーのスピードスティック6-16HOBB、エビスフィッシングのMr DON VD-72Hや、オオノのウィードベットモンスターが登場。しかしこれらのロッドはバットフェルールと呼ばれるロッドとグリップをジョイントするパーツを使用したタイプであり、カバーゲームを十分に楽しめるレベルには達しておらず、バスロッドの延長と言わざるをえなかった。

その後、86年に現在の雷魚ロッドのコンセプトに近いブランクスルータイプのマグナムハスキートリガー(GL-76HT)が登場し、これを境にバットが強く、カバーから雷魚を抜き出すことが可能なロッドが登場することになる。
ほぼ同時期には、イナガキのエドワード、金山釣具のコマンドエイトというショップオリジナルのロッドも存在した。この時期に忘れてはならないのは、その当時に流行していたバス釣りのフリッピングメソッドだ。7フィートを越えるロッドの長さ、ブランクスルータイプのパワフルなバットなど、ヘビーなロッドを使うこのメソッドは、雷魚タックルの進化に大きな影響を与えたことは間違いない。代表的なロッドとして、シマノのファイティングロッドや、ジャクソンのKeironなどがあった。

その時代は、チャンピオングリップのSuper Strikeを使い続ける人や、バス用フリッピングロッドを使う人、ブランクスルータイプの雷魚ロッドを使う人が混在した、雷魚ロッドの過渡期というべき時代だった。


88年にはスミスのバトラックスシリーズからBAT76が発売され、90年に入る頃にはGUNGUN70,77が登場する。このGUNGUNの登場を皮切りに、OFTの雷魚70,78、ジャクソンのS70,76が続いた。このGUNGUN以降のロッドはこれまでのようなバスロッドの延長ではなく、雷魚専用でしかもカバーゲームを主とするために生まれた。

90年代前半に現在のロッドのスペックに近いものが出来上がり、その後、2000年まではパワーやトルクを重視した「強い」ロッドを求めて進化を続けた。雷魚ロッドは重くて硬いというイメージが一般的になっていった時代だ。同時に、細分化の方向にも進み、攻略フィールドに合わせてバリエーションが増えた。長さやパワー、トルク配分の異なるロッドが多数リリースされていった。また、リバイバルされたマグナムハスキーのように、操作性を重視して軽量化されていくものや、重くて硬くオーバーパワーなロッドではなく、柔らかい方向に向かっていくロッドも登場した。

このように雷魚ロッドの進化には20年という歴史があるが、進化が進んだのはここ10年間だろう。そして2003年を迎えた現代においては、それらのロッドはほぼ完成の域まで到達した感がある。また、釣り人の多様化する嗜好に合わせるかのように、メーカーの開発スタンスも今までのように同じ方向へ向かって進化していくのではなく、それぞれのコンセプトに基づいて特徴あるロッドが生まれている。

強さを求めて進化した80年代、フィールドコンディションに合わせて細分化が進んだ90年代、操作性や独自コンセプトに重きをおいて開発される2000年以降という具合にまとめることができると思う。

好きなロッドを選べるという恵まれた状況の現代ではあるが、それらを存分に使いこなすフィールドが無いのは残念だ。また、このデフレと不景気が続く状況下において、メーカー側が在庫負担を減らしたいがために限定販売や受注生産の体制をとっている現実も忘れてはいけない。作れば売れた時代は遠い昔になりつつある。技術も大きく進化し、各メーカー間の差もほとんど無い(作っている工場が同じ場合が多い)この時代では、コンセプトや主張が明確に表現されていて、ユーザーの視点に立って考えられているかどうかが重要になっていくだろう。


道具としての機能はもちろん、所有する喜び、所有したくなるインパクトのあるタックルが80時代には存在した。その象徴がSuper Strikeだった。
ユーザーを煽るようなビデオや、釣果を誇示するような釣り人主体の写真などが一切なくても、その落ち着いた雰囲気のカタログを開いただけで、そのロッドの虜になっていた。そこには宝の山があり、お金さえあれば全てを手に入れたいと思っていたし、それを手にすれば必ずモンスターをこの手にできると信じていた。毎日のように穴が空くほどそのカタログを眺めては自分が釣っているイメージを膨らませていた。



白いSuper Strikeのロゴ、当時最強と信じていたブランクスに12インチのチャンピオングリップ。G-6ダクロンラインとスナッグプルーフという組み合わせがカッコ良かった。それに、Super Strikeは雷魚マンのステイタスだった。
今では常識のブランクスルータイプではなく、バットフェルールと呼ばれる華奢なアルミのジョイントでチャンピオングリップと接続していた。そしてこれが唯一の弱点だった。カバーが薄くても、大型魚のファイトで曲がったりすることもあった。
そんなことよりも「Super Strikeで釣りたい」という思いが強く、それらの弱点はどうでも良かった。性能よりも思い入れが勝っていた。


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